ファスティング中のめまいの治し方|塩水で10〜15分で楽になる理由
間欠的ファスティングでめまいが起こるのは本当です。インスリンが下がるとナトリウムが体外に排出されるのが原因。塩ひとつまみを溶かした水を飲めば10〜15分で回復します。見逃してはいけない危険なサインも紹介。
ファスティング中にめまいがする理由と、その治し方
最終更新日: 2026年8月13日
ファスティング中にめまいを感じたら、まず座って、水にひとつまみ(小さじ4分の1ほど)の天然塩を溶かして飲み、ゆっくり立ち上がりましょう。血圧は10〜15分ほどで元に戻ります。 間欠的ファスティング(断食)でめまいが起こるのは本当です。インスリンが下がると腎臓がナトリウムと水分を体外に排出してしまい、血液の量と血圧が下がるのが原因です。ファスティングを始めた最初の数週間はよくあることで、腎臓が慣れてくる2〜3週間ほどで自然に治まっていきます。
ファスティング中のめまいを止める方法(早見リスト)
- すぐに座るか横になる — 立ったまま無理をしないこと。
- 水に小さじ4分の1の天然塩を溶かして飲む — 数分で血液の量が増えます。塩はファスティングを中断させません。
- ゆっくり立ち上がる — 血圧が追いつくまで少し時間をあげましょう。
- 食事ウィンドウ中にカリウムとマグネシウムを補う — アボカド、葉物野菜、夜のマグネシウムグリシン酸塩など。
以下では、それぞれの理由と、めまいを悪化させる要因、そしてファスティングをやめるべき危険なサインについて詳しく説明します。
間欠的ファスティングのめまいはどのくらい続く?
| いつ起こるか | 感じ方 | どのくらい続くか |
|---|---|---|
| 立ち上がった瞬間、一度だけ | 一瞬頭がふらっとして、床が揺れるような感覚 | 10〜60秒。塩水を飲めば10〜15分で完全に落ち着く |
| ファスティング1週目 | ほぼ毎日、特に断食時間の後半に起こりやすい | 毎日続くが、回を重ねるごとに短くなる |
| 2〜3週目 | 暑い日や運動後にたまに起こる程度 | 腎臓がインスリンの低下に慣れるにつれて減っていく |
| 4週目以降 | ほぼ消えているはず | まだ毎日続くなら「慣れ」ではない可能性。電解質を確認し、下記の危険なサインを見る |
ファスティング中に立ち上がって部屋がぐるっと回るような感覚は、正直かなり不安になるものです。ですが、これはほとんどの場合、深刻な問題のサインではありません。原因がはっきりしているので、仕組みを理解すれば怖さは消え、ちゃんと対処できるようになります。
体の中で実際に何が起きているのか
ファスティングをするとインスリンの量が下がります。これはファスティングの目的そのもので、インスリンが低いと体は蓄えた脂肪を燃やし始めます。ただ、インスリンには腎臓にナトリウムを溜め込むよう指示する働きもあります。インスリンが下がると、ナトリウムも一緒に外へ出ていき、水分もそれについていってしまうのです。
これが、間欠的ファスティングを始めた最初の1週間で体重が数キロ落ちる理由のひとつです。ただ、その多くは脂肪ではなく水分です。グリコーゲン(肝臓と筋肉に蓄えられているブドウ糖の貯蔵形態)は、およそ3〜4リットルの水分と結びついています。グリコーゲンが減ると、その水分も一緒に出ていきます。
結果として、血液の量が減り、血圧も下がります。急に立ち上がると、心臓は血液を脳まで押し上げるのに一瞬の時間が必要になります。血圧がすでにやや低い状態だと、その一瞬が「床が揺れる」ような感覚として現れるのです。
これは「起立性低血圧」と呼ばれ、体勢を変えたときに一時的に血圧が下がる現象です。よくあることで、一時的なもので、健康な人にとって危険はありません。
電解質との関係
ファスティング中に特に重要な電解質は3つあります。
**ナトリウム(塩分)**は血液中にどれだけ水分を留めるかを決めます。ナトリウムが少ないと血液の量が減り、血圧も下がります。塩を溶かした水は、いちばん早く効く対処法です。
カリウムはナトリウムと一緒に体内の水分バランスと神経の伝達を調整します。食事ウィンドウ中はアボカド、葉物野菜、鮭などから摂るのがおすすめです。
マグネシウムは300種類以上の体内の働きに関わっており、筋肉や神経の動きにも欠かせません。ファスティングを始める前からすでに不足している人も多いです。夜にマグネシウムグリシン酸塩を摂るのは実用的な方法で、睡眠の質も上がります。断食中に摂りたい場合は、マグネシウムはカプセル状ならファスティングを中断させません(グミや甘味付きパウダーは別)という記事で、適切な量とタイミングも解説しています。
この3つの電解質はファスティング中にまとめて減っていくため、めまいが単純な症状ではなく、軽い頭のふらつきと脱力感、時には軽い吐き気まで重なって出てくることがあります。脱力感やだるさのほうが気になる場合は、間欠的ファスティングで体が弱く感じる理由と7つの対処法をあわせてご覧ください。
めまいを悪化させる要因
めまいが何度も起こる、あるいは思った以上に強く出る場合、次のような要因が影響していることが多いです。
- 前日に糖質や炭水化物の多い食事を摂っていた — インスリンが急激に上がった分、断食が再開したときの落ち込みも大きくなります
- 電解質なしで空腹のままコーヒーを飲む — カフェインには軽い利尿作用があり、水分の排出を早めます
- 暑い季節や激しい運動 — どちらも汗をかく量を増やし、電解質の消耗を加速させます
- とても長い断食時間 — 特に20〜24時間を超えて電解質を補わずに続けた場合
- 水分不足 — ファスティング中に必要な水の量を大きく見誤っている人は少なくありません。最初に現れるサインは口の乾きと舌の表面の白っぽい膜で、ファスティング中の白い舌が出る日は、めまいも一緒に出やすいことが多いです
今すぐめまいを治す方法
ステップ1: めまいを感じたら、すぐに座るか横になりましょう。立ったまま無理に耐えないこと。
ステップ2: 水に少量の天然塩をひとつまみ溶かして飲みます。数分で血液の量が増えます。天然塩にはミネラルも含まれており、それも効果に一役買っています。
ステップ3: 体勢を変えるときはゆっくり動きましょう。急に立ち上がらず、少しずつ体を起こして、循環器系が追いつく時間を作ってあげます。
ステップ4: 食事ウィンドウ中はカリウムの多い食品(アボカド、葉物野菜など)を優先的に取り、夜にマグネシウムのサプリメントを摂ることも検討してみてください。
多くの人は、ファスティングを続けて2〜3週間のうちにめまいが治まります。体がインスリンの低い状態に慣れ、電解質をうまく保てるようになっていくからです。
立ち上がったときにめまいがするのはなぜ?
立ち上がった瞬間にめまいを感じる人がほとんどです。座っている、または横になっているときは、重力が頭から血液を引き離す方向に働かないので、血液の量が少し減っていても症状は出ません。ところが立ち上がると、最初の数秒で約0.5リットルの血液が足に一気に集まります。水分がしっかり保たれている体はその血管をすぐに締めますが、ナトリウムが不足したファスティング中の体は2〜3秒反応が遅れ、その一瞬の遅れが頭のふらつきとして感じられるのです。
これを防ぐ習慣が2つあります。立ち上がる前に椅子やベッドの端に腰かけたまま数秒待つこと、そして立ち上がる前にふくらはぎと手を5秒間ぎゅっと握ること。どちらも血液を機械的に上へ押し戻す動きで、塩が効くのを待たずにその場ですぐ効果があります。
ファスティング中に気を失わないためには
失神は同じ血圧低下がもう一段階進んだ状態です。ただ、たいていの場合は前兆があるので防ぐことができます。視野が狭くなる、耳鳴りがする、急に汗をかく、顔がカーッと熱くなる――こうした感覚を少しでも感じたら、その場で床に座るか、頭を膝の間に入れるようにしましょう。体を横にすると、脳への血流は数秒で戻ります。床の上なら、そこから倒れることもありません。
そこまでいかないようにするには、長い断食の後半に熱いシャワーやお風呂に入らないこと、同じ場所にじっと立ち続けないこと、体調が悪くなる前に塩を入れた水を飲んでおくこと、そして意識を失うより先に断食を切り上げることが大切です。少し早めに食事をとったところで失うものはありませんが、倒れてしまうと失うものは大きいです。
間欠的ファスティングで食後にめまいがするのはなぜ?
断食を終える食事の後にめまいを感じるのは、少し違う仕組みで起こる現象で、意外に思う人が多いです。食事をすると、消化のために血液が消化器に集まり、長い間ゼロだったインスリンも一気に上がります。このどちらも、30〜90分ほど血圧を下げます。16〜20時間ほど断食した後に、糖質の多い大きな食事を最初にとると、この落ち込みが一番大きくなります。
対策としては、断食を終える最初の一食をタンパク質と脂質を中心にした小さめの量にし、炭水化物は20〜30分後に追加すること。塩水は断食中だけでなく、食事のときにも一緒に飲むこと。そして食後は少しの間座ったままでいて、すぐに立ち上がらないことです。詳しい手順は断食を安全に終える方法にまとめています。
本当に注意が必要なケース
ファスティング中のめまいのほとんどは、心配のいらない電解質関連のものです。ただし、次のような場合はファスティングを一度やめて、医師に相談してください。
- めまいが強く、数分以上続く、または胸の痛みや動悸を伴う
- 血圧を下げる薬を飲んでいる — ファスティングが薬の効果を強めてしまい、血圧が下がりすぎる可能性がある
- 糖尿病で血糖値を下げる薬を飲んでいる — この場合、ファスティング中は特に注意深い観察が必要
- ただのふらつきというより、意識が飛びそうな感覚があり、水と塩でも治らない
こうしたケースは多くはありませんが、知っておく価値はあります。
大きな視点で見ると
ファスティングを始めた最初の数週間に起こるめまいは、失敗のサインではなく、体からの合図です。体が新しい代謝の状態に慣れていく途中で、腎臓も調整を進めています。時間が経つにつれて電解質の扱いも上手になり、長くファスティングを続けている人のほとんどは、めまいが完全になくなり、以前よりも体がしっかり安定している感覚を得られるようになります。
対処法は、ファスティングをやめることではありません。電解質を含んだ水をしっかり飲み、体勢を変えるときはゆっくり動くこと、それだけです。
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よくある質問
間欠的ファスティングでめまいが起こることはありますか?
はい、初期によく見られる症状のひとつです。インスリンが下がると腎臓がナトリウムと水分を排出し、血液の量が減り、立ち上がったときに血圧が下がります。これはファスティングによって当然起こる反応で、何かが悪いというサインではありません。通常は2〜3週間ほどで治まります。
自分のめまいが電解質不足によるものか、それ以外の原因なのかどう見分ければいい?
天然塩をひとつまみ溶かした水を飲んで10〜15分以内に良くなるなら、電解質によるめまいである可能性がほぼ確実です。電解質によるめまいは、立ち上がったときに出やすく、長く続くぐるぐる回るような感覚ではなく一瞬の頭のふらつきで、水分と休息で早く落ち着きます。
ファスティングによるめまいは自然に治りますか?
ほとんどの人は治ります。体はインスリンが低い状態でも電解質をうまく保てるようになり、2〜4週間ほどで慣れていきます。水分をしっかり摂り、電解質を足すことで、この慣れは大きく早まります。
ファスティング中の水に入れる天然塩の量はどのくらいがいい?
1リットルの水に対してひとつまみ、小さじ4分の1程度が良い目安です。厳密に計る必要はありません。水がはっきり塩辛いのではなく、かすかに塩味を感じる程度であれば、ちょうど良い量です。
ファスティング中にめまいを感じたまま運動してもいい?
めまいがある間は運動せず、まず休みましょう。塩水を飲み、座ってめまいが治まるのを待ってから動き出してください。体が落ち着いて普段の状態に戻ったら、軽い運動なら問題ありません。電解質が整うまでは激しい運動は避けましょう。
めまいがあるということは、ファスティングが自分に合っていないということですか?
そんなことはありません。めまいはファスティングを始めた人がよく経験することのひとつで、ファスティングそのものが体に合わないというサインではありません。ほとんどの場合、一時的な電解質の問題であり、ファスティングとの相性の問題ではないのです。
参考文献
- ファスティングは起立時の血圧調整力を下げる ─ 立ち上がったときにめまいを感じる理由。 Bigard AX, et al. Alterations in muscular performance and orthostatic tolerance during Ramadan. Aviation, Space, and Environmental Medicine. 1998. PMID: 9561280
- 医師の監督下での断食中に記録された副作用の中で、頭のふらつきが最も多く、通常は軽度。 Finnell JS, et al. Is fasting safe? A chart review of adverse events during medically supervised, water-only fasting. BMC Complementary and Alternative Medicine. 2018. PMID: 29458369
- 断食期間中の成人における疲労感と日常機能の変化を測定した研究。 Karaağaoğlu N, et al. Some behavioural changes observed among fasting subjects, their nutritional habits and energy expenditure in Ramadan. International Journal of Food Sciences and Nutrition. 2000. PMID: 10953756
- 長期の断食を通して血圧、電解質などの指標を追跡した研究。 Dai Z, et al. Effects of 10-Day Complete Fasting on Physiological Homeostasis, Nutrition and Health Markers in Male Adults. Nutrients. 2022. PMID: 36145236
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この記事は情報提供のみを目的としており、医療アドバイスではありません。ファスティングを始める前、特に既往症がある場合は、必ず資格を持つ医療専門家にご相談ください。
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